【映像】インド首都の大気汚染悪化 冬に向かって最悪レベルに(AP通信)

ニューデリー、インド、11月7日 (AP)― インドの首都ニューデリーは7日、灰色の淀んだ空気に包まれ、大気汚染は危険レベルに達した。
 中央公害管理委員会が定めた大気汚染の程度を示す指数は、最高の500に対して、この日は350から450で、汚染した空気を呼吸することによる健康への影響は「厳しい」ことを示していた。
 また、微小粒子状物質PM2.5の濃度が、1立方メートル当たり815マイクログラムと、インドの基準値60マイクログラムの13倍を超えた地点もあった。
 首都があるインド北部一帯では毎年、冬に向かって空気が淀んでくる。その主要な原因は塵埃や野焼き、工場や車からの排煙に加えて、貧困層が石炭やゴミを燃やして暖を取る長年の習慣だ。
 そのため、ニューデリーは過去2年連続して「大気汚染ワーストワン」の不名誉な都市となった。
 インド医師会は、ニューデリーは「公衆衛生緊急事態」の真っ只中にいると指摘し、学校でのスポーツや屋外活動を中止するように市当局に訴えている。同医師会はまた、午前中の大気状況が最悪となる見通しであることから、11月19日に予定されているデリー・ハーフマラソンの中止を呼び掛けている。
 世界的権威の医学雑誌「ランセット」が行った最近の世界各地の大気汚染状況調査によれば、2015年にインドで早期死亡した4人に1人、250万人は大気汚染が原因であったと指摘。
 市当局は過去2年、自動車や工場からの排煙削減や車の乗り入れ制限など規制強化に努めてきたが、野焼きやゴミ焼却、工事現場から出る塵埃などの規制は難しいものがあるようだ。

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